ハーフマラソンでサブ90(1時間30分切り)を達成するためにやったこと

~この記事は【2025年12月】に執筆したものです~
こんにちは、K2です。
ランニング歴30年、2019年より東京の駒沢公園を拠点に活動しているランニングクラブ「TRC」にて練習会を開催しています。(活動概要はこちら)
本記事では、自身がハーフマラソンでサブ90(1時間30分切り)を達成するために、やってきた練習内容を中心に紹介します。これからサブ90を目指したい!!という方に、少しでも参考になればと思います。

ハーフマラソンでサブ90を目指した理由
ハーフで90分切り(キロ4分15秒ペース)を狙い始めたのは、2024年1月の新宿シティハーフマラソンで 92分45秒(ネット) を出したのがきっかけです。
「あとちょっと頑張れば、90分切れそうだな」と思ったんですが、実際は“あとちょっと”っていうのが結構長かったですね、結局達成するのに、1年半くらいかかってしまいました。
フルのサブ3.5は、ラン仲間を見渡すと結構いるんですが、ハーフのサブ90は意外と少ないんですよね、みなさんハーフマラソンをガチで記録狙いにいっていない事もあるのかもしれませんが・・
大会によりますが、ハーフで90分を切ると 参加者の上位10%くらい に入れる事が多いので、「そこそこ速いやん?」ってちょっとドヤ顔したくて目指しました(笑)
サブ90達成のレース
サブ90を達成したのは、BOOSTさん主催の2025年10月の荒川ハーフマラソン(89分31秒)
河川敷でほぼフラットなコース、当日は本降りの雨でテンションかなり低めでしたが、涼しくてラッキーくらいの気持ちで走りました。
この大会、ペーサー付きで参加者が少なめ なので、スタート直後に混雑していきなりタイムロスする、いわゆる“借金”を背負うことがなく、安心してサブ90に挑めます。
ちなみにこの時の自分は 44歳。おっさんでも、ちゃんと積み上げれば達成できるんだなーと実感しました。

練習の柱①:週1回の閾値走(Tペース)
メインは ダニエルズ式Tペース走(閾値走)、この練習をとにかく重要視しました。
クラシックな練習方法ですが、数多の先人の市民ランナーたちがこの練習法で結果を出してきたことを信じて取り組みました。
週1回、まずは 20分間 からスタート。慣れてきたら25分、30分と少しずつ延ばしていきました。
きつさの目安は「走り終わったらまあまあキツイけど、膝に手をつくほどじゃない」くらい。
とにかく続けられる強度で淡々とやるのが大事です。
最初は キロ4:25で20分 でしたが、続けるうちにペースはあがり、
1年半ほど続けたら キロ4:10で30~35分 くらいは安定して走れるようになりました。
1年半もやって、そのくらいしか上がらないの?と思ったそこのあなた!
確かにわずかの成長ですが、1kmあたり10秒速くなれば、ハーフマラソンに換算したら10秒×21km=210秒(3分30秒)も速くなるのです。これはハーフマラソンの世界では大きな伸びと言えるでしょう。
このくらいの練習ができると、レース本番でも キロ4:15で押し切れる 自信が出てきます。
練習の柱②中強度走
閾値走だけじゃなく、中強度走(自分の場合は体調によるが、キロ5:00~5:10くらい) も取り入れました。
きつくはないけど楽でもないという絶妙なペース、いわゆる「速めのジョグ」が私の中での中強度走の定義です。
この中強度走を短くて40分、できる日は極力60分を目安に週2回おこない、ポイント練習以外の日でも地味にトレーニング効果を積み上げました。
週末にドカンとやるより、中くらいの強度がある練習を少しずつ続ける方が効く感じです。
市民ランナーにありがちな「週末ドカンと走って、平日はゆるジョグのみ」(←自分も昔はこれ)
だと、せっかく週末に効果の高い練習をしても、なかなか走力が積みあがらないんですよね。
より高みを目指すなら、こういう“地味だけど続けられる練習”が本当に大事と感じました。
そして、中強度走に限らずですが、できる限りノンストップで走れる場所でおこなうのが理想です。
疲労抜きのゆるジョグであれば気にしなくてもよいのですが、トレーニング効果を求める中強度走では、
ラン中に信号待ちなどで休んでしまうと、どうしても回復してしまい、トレーニング効果が落ちてしまいます。
地味な話しですが、ご近所でノンストップで走れる場所を探すことが、速くなるためのひとつのポイントと感じました。
練習の柱③ロング走
ロング走は週末に キロ5分くらい で20km程度走ることが多かったです。
反対にそれよりも速いペースでのロング走は私はやりませんでした。
理由は単純に負荷が高くて、無理してやると翌週以降の練習にも響くと考えたからです。
そして、真夏は全部やろうとすると暑くて無理なので、距離を短めにしたり、他の練習も軽めにして調整しました。
「無理は禁物…」と自分に言い聞かせながら走る日々です。
市民ランナーにインターバル走は必要?
ランニング界隈でよく話題になる「市民ランナーにインターバル走は必要か?」という話ですが、
個人的にはサブ90を目指す上では 「やるに越したことはないけど、必須ではない」 と思っています。
市民ランナー界で定着しているインターバル走の定義を整理しておきます。
分かりやすい例だと、1000m×5本のいわゆる「センバル」、400m×10本の「ショートインターバル」などが、市民ランナーが思い浮かべる代表的なメニューかと思います。
これらのインターバル走は、一般的にはハーフマラソンのレースペースよりも速いペースで走ります。私も時々、こうしたインターバル走を行っていました。例えば1000m×5本(200mジョグつなぎ)なら、3分50秒~55秒/kmくらいで走ります。
これらメニューは達成感が大きく、トレーニング効果も高いのですが、やはりダメージが大きいんですよね・・
例えば日曜にこれをやると、平日に行う閾値走のときに疲れが残っていたり、脚が少し痛くなったり……。こういう理由で、継続性に難を感じました。
やはり 「続けられる練習を続けること」 が大事だと思い、高負荷のインターバル走は、私はあまりやりませんでした。
一方で、先述の閾値走を分割して行う「クルーズインターバル走」は、積極的に取り入れました。
特に夏場ですね。真夏に涼しい時と同じ強度で閾値走を行うのは危険です。
そこで15分+15分や、10分×3本に分割し、レストは1~2分程度にして、閾値走の効果を落とさないように調整するのがおススメです。
練習頻度と月間走行距離
サブ90に限らず、目標達成に必要な練習量は、かなり個人差があります。
サブ90は一般的な中高年市民ランナーであれば、なかなかの難易度の目標です。
そのため、やはりある程度の練習量があった方が再現性は高いかと思います。
以下は私が達成した時のおおよその練習頻度・内容です。
- 練習は週5回前後(元気があれば週6回、休養日は必ず確保)
- ポイント練習 週2回(閾値走+週末ロング走)
- 中強度走 週2回(8~12km前後)
- ゆっくりジョグ週1~2回(気晴らし・つなぎ)
- 月間走行距離:250〜300kmで落ち着くことが多かった
自分に合った負荷で続けられることが、何より大事です!
疲れたら無理せず休む、これ鉄則です。
男性・女性それぞれのサブ90の難易度
ハーフで90分台前半の記録をお持ちであれば、サブ90は狙える記録です。
でも中高年の市民ランナーは計画的に練習しないと難しいとも思いました。
ちなみに、練習あまりせずに達成できる人は才能です(笑)、比べちゃダメです。
女性の場合は、どうしても男性と比べて筋力(=スピード)で劣るため、
ハーフの記録はフルに比べて、ややゆっくり目になりますよね。
そのため、女性の市民ランナーでサブ90達成者はかなり少なく、難易度は高めかと思います。
閾値走などある程度速いペースで巡行する練習が必須で、そこをどうクリアするかが鍵です。
…でも、やれば誰でも少しずつ近づけます!
まとめ
サブ90は中高年市民ランナーでも、地味な積み上げで届く目標です。
閾値走、中強度走、ロング走、ゆるジョグなどをうまく組み合わせて、コツコツ続けることが大事。
自分も1年半かけてじっくり走力を上げて、44歳でも達成できました。
おっさんでもやればできる!いや、やらなきゃできない(笑)。


