初心者ランナーがハマりがちな「フォーム改善」という誘惑

多くの初心者ランナーが最初に直面する悩みが「ランニングフォーム」についてではないでしょうか。
健康のため、美容のため、友達や仕事仲間に誘われて・・
そんなランニングをはじめて間もない初心者ランナーの方がある程度走れるようになってくると
「マラソン大会に出てみようかな」
「せっかくだから、もっと速く走れるようになりたい」
と、感じた時に多くの人が気になり始めるものがあります。
それが「ランニングフォーム」です。
YouTubeやSNSを見ると、「このフォームなら速くなる」「怪我をしない走り方」などの解説がたくさ~ん出てきます。
そういう情報を見るうちに、「自分の走り方も直した方がいいのでは?」と考え始める人も多いと思います。
でも、初心者ランナーにとって本当に優先すべきことは、実はフォームではないかもしれません・・
この記事では、初心者ランナーがフォーム改善に惹かれてしまう理由と、それよりも大事だと思うことについて、実体験も交えながらお伝えします!
なぜ初心者ランナーはフォームを変えたくなるのか

ランニングを始めてしばらくすると、「フォームを直した方がいいのでは?」と考える人が多いです。
まず一つは、楽に速くなれるのでは?と感じることです。
フォームを変えるだけで走れるようになるなら、走る距離を増やしたり、きつい練習をしたりしなくてもよさそうですよね。仕事や家事で日々忙しい市民ランナーにとって、これはかなり魅力的です。
もう一つは、動画・SNSとの相性の良さです。
最近はYouTubeやSNSでランニングフォームの解説動画がたくさんあります。
腕振りや姿勢、着地の仕方などはすぐに試すことができるので、自分でもできるのでは?と感じます。
今日から試せるという手軽さもあり、初心者ランナーは自然とフォーム改善に興味を持つようになります。
ただ、ここにちょっとした落とし穴があります。
ランニングを「車」で考えてみる

いわゆる「走力」を決める要素は、車に例えると分かりやすいかもしれません。
ランニングには大きく分けて、3つの要素があります。
①エンジン
これは俗に言う心肺能力です。心臓や肺が酸素を体に送り続ける力のことで、ランニングでは「どれだけ長く、速く、走り続けられるか」を決める部分です。エンジンの性能が良ければ、同じスピードでも余裕を持って走れるようになります。
②車体
これは体の土台です、その人の
「基礎体力」「筋持久力」「長く走っても壊れない体の耐性」などがここに含まれます。
③運転技術
これがランニングフォームです。効率よく体を動かす技術、と言ってもいいかもしれません。
フォーム改善というのは、この中でいうと「運転技術」を磨くことです。
無駄な動きが減れば、同じエネルギーでも速く走れるようになります。
ただ、ここで少し想像してみてください。
もしエンジンが小さくて、車体もガタガタの車だったらどれだけ運転が上手でも、その車で速く走るのはなかなか難しいですよね。
逆に、エンジンが大きくて車体もしっかりしている車なら、多少運転が下手でもそれなりに走れてしまいます。
ランニングもそれとかなり似ています。
初心者ランナーの多くは、まだエンジンも車体も発展途中です。
その段階で運転技術ばかり気にしても、走力はあまり変わらないことが多いです。走れるようになるために大事なことは、
エンジンを大きくすること、車体を強くすることです。
なぜ「走り続けること」が一番大事なのか
初心者ランナーの方に「まずは走ることが大事」と言うと、精神論のようでしんどいですよね。
でも、残念ながらこれは気合いの話ではなくて、体のしくみの話です。
走ることを続けると、体の中ではいろいろな変化が起きます。
難しい話しをすると、体内のミトコンドリアが・・とか、毛細血管が・・みたいな話しになってしまうので、そのあたりの話しは省略しますが、要するに心肺機能が強くなります。
心臓はより多くの血液を送り出せるようになり、筋肉は酸素を効率よく使えるようになります。これがいわゆる有酸素能力の向上です。
さらに、脚の筋持久力がつきます。
ランニングは同じ動きを何千回も繰り返す運動なので、走ることで脚の筋肉が長く働き続けられるようになります。
そしてもう一つ大事なのが、体の耐性が上がることです。
体は少しずつ負荷をかけていくことで強くなっていきます。走る習慣がある人ほど長い距離を走っても体が壊れにくいのはこのためです。つまり走り続けることで、
- 心肺機能が強くなる
- 筋持久力がつく
- 体が壊れにくくなる
という変化が起きます。
これはまさに、車でいうところのエンジンと車体を強くしている状態です。
効率的なフォームを身につけるためには?
そして、これが大事なポイントですが、
こうしたエンジンや車体といった「土台」ができてくると、
フォームは自然と効率的な動きに近づいていくことが多いんです。
もちろんフォーム改造を否定するつもりは全くなく、極端に非効率なフォームは直したほうがよいケースもあります。例えば、
・極端なオーバーストライド(足が体のかなり前に着地する)
・上半身の過度な後傾
などは、直したほうがよいでしょう。
怪我しがちだった人が、フォームを直したことで怪我が減った、無くなったというケースは確かにあります。
ただ、私はランニングクラブを運営している中で多くのランナーの方を見てきましたが、怪我するケースはフォームが原因というより、
・走る量を急に増やした(練習の「量」を増やしたことによる問題)
・走るスピードを上げた(練習の「質(強度)」を上げたことによる問題)
であることが、大半です。
また、フォームを変えたから、必ず怪我しなくなる訳でもなく、かえって不自然な動きになって悪化する、むしろ走りにくくなった、というケースも普通にあります。
フォームを変えることによって、その人にとってプラスに働くかは、かなり読めない部分があるということです。
さきほどの車の例えで言えば、「運転技術」を自己流で直すと、かえって運転が下手になったり、変なクセが付いてしまうリスクもあります。
夢のない話しで恐縮ですが、地道にエンジンや車体を強くしていく事が、走れるようになるための一番の近道です。
ただ、どうしても自分のフォームが気になる!という方もいらっしゃると思います。フォームが原因で怪我がしやすいという方も実際いると思います。
そういった方はフォームを変えてみるのは一つの選択肢です。ただ、これは私の経験則ですが、フォームを自分で意識して変えるというのは、非常に難しいことです。
なので、そういった方は、ランニングフォームの改善を専門でおこなう方の指導を受けることをおススメします。専門の指導者によるレクチャーは有料な事が多いので、評判の良いところを選びたいですね。
石の上にも3年

ランニングを続けるうえで、とても大事なこと・・
それは、急に走る量を増やさないこと、急にスピードを上げないことです。
怪我をしてしまうと、せっかく始めたランニングの習慣そのものが止まってしまいます。
だからこそ、頑張りすぎないことが大切です。
初心者ランナーが走れるようになるために一番大切なのは、とにかく続けることです!
大事なことなのでもう1回書きます、とにかく続けましょう!石の上にも3年です。
まずは、自分が無理なく続けられる距離や時間を見つけましょう。
例えば、20分走るのが精一杯という方でしたら、15分でOKです。
15分走ることを、まずは週に2~3回習慣化することを目標にします。
それを数週間続けて体が慣れてきたら、「走る時間」または「走る回数」を少しだけ増やします。
大事なのは、一気に増やさないことです。
「もう少し走れそうだな」と思うくらいで止めておく方が、結果的に長く続きます。
さいごに

ランニングを始めると、フォームが気になるのはとても自然なことです。
ただ、初心者ランナーにとって一番大事なのは、フォームを細かく修正することではなく、無理のない範囲で走ることを習慣化することです。
派手さはありませんが、
走る→体が強くなる→もっと走れるようになるというサイクルを作ることが、走れるようになる一番の近道です。
筆者プロフィール

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1981年生まれのおっさん市民ランナー、東京・駒沢公園を拠点に2019年から活動しているランニングクラブ「TRANSIT RUNNING CLUB(TRC)」を運営、週末に月3〜4回ペースで活動中
入会手続き不要、参加費無料なので、お気軽にお越しください
練習会情報&エントリーはFacebookページに掲載
<Facebook公式サイト>https://www.facebook.com/komazawatrc
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