5000m20分切りの練習方法|インターバルだけに頼らないトレーニング

5000mで20分を切るというのは、市民ランナーにとって一つの分かりやすい目標です。

この記事では市民ランナー向けに

  • 5000m20分切りのペースとレベル
  • 5000mとハーフマラソン、フルマラソンの関係
  • インターバル走だけに頼らない練習方法

について、実体験も交えながら書いてみたいと思います!

5000m20分切りとはどんなペース?どのくらいのレベル?

5000m20分切りは1km4分ペースです。

市民ランナーにとって、1kmあたり4分というのは、なかなか速いペースですよね。

学生時代に陸上競技経験がある、持久系スポーツが得意だった、そういった方であれば比較的すぐに達成してしまうパターンもあります。

しかし、市民ランナーにとって20分を切ることは決して簡単ではなく、ある程度走っているランナーが目標とする一つの「壁」と言えます。

もちろん競技レベルではさらに速い世界がありますが、市民ランナーとしては「上級者への入口」と言ってよいかと思います。

5000m20分切りはハーフマラソン・フルマラソンだとどれくらい?

市民ランナーの方で5000mなどのトラック種目のみに専念しているという方は少数派かなと思います。みなさんハーフマラソンやフルマラソンなどに取り組みつつ、5000mなどのトラック種目にも出ている、という方が多い印象です。

私が運営しているランニングチームでは、フルマラソンがサブ4~サブ3まで様々な走力の方が参加されます。みなさんの5000mとフルマラソンの記録を比較すると

  • 3時間前半だと20分切りは達成済み
  • 3時間30分前後だと人による(スピード型なら達成)
  • 3時間後半だと未達成

というパターンが多い気がします。


長距離種目では、距離が違ってもタイムにはある程度の相関があります。
一般的には、5000mが速いランナーはハーフやフルでも速い傾向があり、

特にレベルが上がるほど、5000mの走力とマラソンの記録の相関は強くなると言われています。

もちろん5000mに向けたトレーニングさえしていれば、フルマラソンが速くなる訳ではありません。フルマラソンは42.195kmと長い距離を走る競技であり、持久力が一番大切な要素であることは間違いありません。

ただ「基礎的なスピードが高まり、5000mの記録が伸びる」ことでマラソンペースに余裕が生まれ、結果として記録向上につながるケースも多く見られます。

スピード型とスタミナ型で関係は変わる

ただし、5000mとマラソンの相関はランナーのタイプによっても変わります。

例えばスピード型のランナー、特に男性では

・5000mは速い
・マラソンではその強みが十分に発揮されない

というケースは多く見られます。

逆にスタミナ型のランナーでは

・マラソンは非常に強い
・5000mでは相対的にタイムが伸びにくい

ということも珍しくありません。特に女性はこのタイプが多い気がします。

実際、私の知り合いの女性ランナーの中には、
フルマラソン3時間4分という非常に速い記録を持ちながら、5000mでは20分を切っていない方もいます。

このように、5000mとマラソンには相関はあるものの、
ランナーのタイプによって、相関の強弱があるのも長距離種目の面白いところです。

5000m20分切りの練習といえばインターバル走

5000mの練習方法としてよく紹介されるのが

・1000m×5本
・400m×10本

といった、いわゆる「高強度インターバル走」です。

これらは5000mの記録向上のための定番メニューであり、VO2MAX(最大酸素摂取量)を高めるために非常に重要なトレーニングです。

これらインターバル走の重要性は、他のブログや雑誌などに多く掲載されているので、
この記事ではあえて別のアプローチを紹介したいと思います。

5000mという距離は見た目以上に持久力の要素が大きく、インターバル走だけに頼らなくてもタイムを伸ばすことは可能です。

インターバル以外でも5000mは速くなる

私は45歳(男性)で5000mのタイムを 19分10秒 まで伸ばすことができましたが、
1000m×5本のような高強度インターバルは、ほとんどおこなっていませんでした。

理由はシンプルで
高強度インターバルは練習負荷が高く、継続性に難を感じたためです

私の走力の場合、例えば1000m×5本(つなぎ200mジョグ)のようなインターバル走をおこなうと、タイムは3’50/km前後くらいになります。

これは5000mで19分前後の記録を出すための特異的(=本番に近いレースペース)な練習であり、トレーニングは効果はもちろん高いと思います。

ただ、3’50/kmというペースは自分にとって「結構がんばって出すスピード」です。こういったペースでの練習は体への負担が大きく、日常的におこなうのは身体的にも精神的にも難しいと感じました。

ランニングの記録向上に一番大切なことは「継続すること」だと考えています!

そのため、継続性を阻害するものはできる限り除外するという考えのもと、私の場合は高強度インターバル走は1~2ヶ月に1回程度にとどめていました。

代わりに重視していたのは

  • テンポ走(閾値走)
  • クルーズインターバル
  • 速めのジョグ(中強度ラン)

といったトレーニングです。
これらを具体的にどのようにおこなっていたかを紹介します。

テンポ走(閾値走)

テンポ走(閾値走)は、ややきつい強度でそれなりの時間を走るトレーニングです。

一般的によく言われるのは、
「LT値(Lactate Threshold:乳酸性作業閾値)」付近の運動強度で走るトレーニングのことです。

ここでLT値の話しを丁寧にはじめると超絶長くなってしまうため、難しく考えずに

  • 20~30分くらいであれば、日常的に継続できる(例えば週1回)
  • 終わった後は「まあまあキツイけど、膝に手をつくほどではない」くらいのペース
  • 具体的な目安のペースを挙げるなら「ハーフマラソンの自己ベストのペース付近」

くらいの強度で走る練習と考えましょう。

おそらく、5000mの20分切りを目指そうという方は、キロ4分30秒くらいで走ること自体はそこまでキツくない、ただレースペースであるキロ4分00秒はとてもキツい・・という状態かと思います。

そんな方は、キロ4分00秒と4分30秒の間に「このペース以上で走るとキツくなる」と感じる何となくの境目があるはずです。超ざっくり説明すると、この境目がLT値(乳酸性作業閾値)と考えてもらってOKです。

厳密に言うと、LT値の中にもLT1とLT2があって・・とか専門的になり過ぎるので、ここでは省略します。私たちは趣味で走っている市民ランナーですから(笑)

では、このLT値付近で繰り返し走ると何が起きるのか?

具体例を挙げると4分30秒/kmはそこまでキツくないけど、4分20秒/kmくらいになると途端にキツくなる方がいるとします。この方の場合はLT値は4分25秒/kmくらいと推測されます。

この4分25秒/km付近で20分走る練習を繰り返してゆくと、徐々にそのペースに余裕が生まれ、楽になってきます。そうしたら今度は疾走時間を20分から25分へ、25分にも慣れたら30分へ・・といった形で時間を延ばしていきましょう。

ここでポイントはいきなりペースを上げるのではなく、まずは疾走時間を延ばすことです。
そして、30分間そのペースで比較的余裕をもってできるようになったら、ペースを上げるようにします。

今回の例であれば、4分25秒/kmをクリアしたので、次は4分20秒/kmで再び20分からスタートします。
そして、4分20秒/kmで30分間のテンポ走(閾値走)を安定してこなせるようになれば、5000m20分切り達成の可能性は高いです。

レースペースで走っていないのに大丈夫?と感じるかと思いますが、大丈夫です!
テンポ走(閾値走)を繰り返しおこなうことでLT値が引き上げられ、結果的にレースペースである4’00/kmに対する余裕度も向上しているからです。

そして、このテンポ走(閾値走)の一番良いところは、高強度インターバル走より故障のリスクが低く、継続できる可能性が高いことです。

高強度インターバル走は、5000mが速くなるためには間違いなく効果的なトレーニングです。ただ、速いスピードで疾走する分、体への負担も間違いなく高いトレーニングです。

私自身はこのテンポ走(閾値走)をうまく活用することで、20分切りを達成することができました。
ちなみに現在のベストである19分10秒の時点では、4分10~15秒/kmくらいで35分間ほど走るテンポ走を週1回継続しています。

クルーズインターバル

クルーズインターバルは簡単に言うと、
前述のテンポ走(閾値走)を分割しておこなうインターバル走です。

例えば、30分間のテンポ走を10分⇒10分⇒10分の3つに分割して、間に短い休憩を入れるような練習です。
しかし、単純に分割しただけでは、当然トレーニング負荷としては減ってしまいます。

それでは、この練習をどういった局面で利用するのか?
私がよく利用していたのは夏の暑い時期です。

日本の夏はテンポ走をノンストップで走るには過酷ですよね・・速いペースで20分、30分と走ると脱水のリスクなども高まってしまいます。

LT値付近で走るトレーニングのポイントは、
LT値で走る総合計時間(=刺激時間)をいかに体に与えるかです。
しかし、暑い夏は続けてLT値で走るのは難しい、ならば分割してしまおうという発想です。

もちろん続けて走れるテンポ走の方がトレーニング効果は高いです。
ただ、コンディション的に続けて走るのが難しい、そんな時に有効活用してほしいのがクルーズインターバルなのです。

具体的な練習方法としては

  • 10分疾走⇒2分休憩⇒10分疾走⇒2分休憩⇒10分疾走
  • 15分疾走⇒3分休憩⇒15分疾走
  • 2km×3~4本(2分休憩)

などが挙げられます。休憩の間に給水する、水をかぶるなどの対策を取ります。
そして、慣れてきたら休憩時間を短くして負荷を調整しましょう。

クルーズインターバルは、先述の高強度インターバルと比べて、スピードは抑えめですが、その分長い時間しっかり負荷をかけることができます。

速めのジョグ(中強度ラン)の重要性

速めのジョグ、私は中強度ランとも呼んでいますが、
「楽ではない、でもキツくもない」
という絶妙なペースでおこなうランニングです。

これだけだと、どのくらいのペースで走ればいいか分からないですよね。
ただ、この速めのジョグはペースを毎回ガシっと決めるのではなく、その日の感覚でよいと思っています。

イメージは「明日まったく同じ練習をして」と言われた時に、難なくできるくらいの強度です。
高強度インターバルやテンポ走を連発するのは難しいですが、中強度ランは連発できるくらいの強度とも言えます。

このペースである程度まとまった時間を走りましょう。
個人的には 最低でも40分、できれば60分 続けて走ることで、持久力の土台を作ることができると感じています。

5000mというとスピード競技のイメージがありますが、実際には最も重要なのは持久力だと考えています。

どれだけスピードがあっても、それを最後まで維持できなければタイムにはつながりません。
5000mであっても、パフォーマンスの土台は持久力です。

そして、その持久力の礎を作るのに有効なのは、やはり日々のジョグです。

ただし、5000mで20分切りを目指すレベルになると、

キロ6分や7分といったペースで漫然とジョグしているだけでは、有酸素能力の向上はどうしても限定的になってしまいます。

だからこそ重要になるのが、ある程度の負荷をかけた「速めのジョグ」です。

強すぎる負荷ではないものの、適度な刺激を与えるペースで頻度高く走る。
そのようなジョグを日々積み重ねることで、持久力の土台は着実に強化されていきます。

ただし、中強度ランを頻繁に行うと
「疲労が抜けにくくなるのではないか」と感じる方もいるかもしれません。

疲労が溜まっているかな?と感じた時は、

  • 「疲労抜き」を目的としたゆっくりジョグの日をつくる
  • 強度の高い練習の翌日は負荷を落とす
  • 体調に応じてペースを調整する

といった形で、強弱をつけながら取り入れることが大切です。

ちなみに、私はこの速めのジョグを50~60分くらいで週2回ほどおこなっています。ペースはその日の体調にも寄りますが、キロ5分をちょっと超えるくらいの日が多いです。

個人的には、この速めのジョグを積極的に取り入れてから、走力が大きく向上したと感じています。
テンポ走などのポイント練も確かに大切ですが、連発することはできず、実施できても週1~2回ではないでしょうか。


反面、頻度高く取り組むことができる速めのジョグは、非常に重要なトレーニングです。

体が疲れているなと感じて、今日はちょっとポイント練(テンポ走など)をやるのは難しいな・・と感じた時には、代わりに速めのジョグを入れるのもおススメです。

この速めのジョグをうまく活用して、20分切りの基礎となる持久力を身に付けましょう!

5000m20分切りを目指す練習メニュー例

実際に私がおこなっている練習メニューの具体例を紹介します。

一般的な高強度インターバルはやらない、王道からは少し外れた練習方法かもしれません。
しかし、このような練習で20分が切れたことも事実です。
王道とは少し違うアプローチもあるんだな、くらいの気持ちで参考にしてください。

月:オフ
火:速めジョグ(60分間)5’00~5’10/kmくらい
水:アップジョグ⇒テンポ走(閾値走)8000m(約35分)4’15/km⇒ダウンジョグ
木:オフ
金:速めジョグ(60分間)5’00~5’10/kmくらい
土:15kmジョグ 5’30/km
日:アップジョグ⇒クルーズインターバル(2km×4本)4’00~4’05/kmくらい⇒ダウンジョグ

練習頻度は週5回は確保(余裕があれば週6回の週も)
月間走行距離は250~300kmの間くらいで落ち着くことが多いです。

月間走行距離はあくまでも目安です。もっと短い距離で達成する人もたくさんいますし、達成できない人もいます。

ただ、5000mの20分切りは市民ランナーにとっては、高い目標であることは間違いありません。
そのため、練習量がある程度あったほうが、再現性は高いと思います。

まとめ

5000mという種目は、たった20分そこらの競技時間ですが

  • 持久力
  • スピード
  • ペース感覚
  • 終盤の粘り

といった要素がコンパクトに詰まった、とても面白い種目です。

市民ランナーの世界ではフルマラソンが中心になりがちですが、
5000mのレースに出てみると、自分の走力を違った視点で見直すきっかけになります。

もし機会があれば、5000mのレースにもぜひ挑戦してみてください!
この記事があなたの5000mの20分切りに少しでも役に立てばうれしいです。

おわり

筆者プロフィール

K2
K2
1981年生まれのおっさん市民ランナー、東京・駒沢公園を拠点に2019年から活動しているランニングクラブ「TRANSIT RUNNING CLUB(TRC)」を運営、週末に月3〜4回ペースで活動中
入会手続き不要、参加費無料なので、お気軽にお越しください
練習会情報&エントリーはFacebookページに掲載
<Facebook公式サイト>https://www.facebook.com/komazawatrc

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